銀行による過去の不正事件から学ぶ「不動産投資の注意点」をまとめてみました。

不正貸付問題で明るみになった銀行の不正

「かぼちゃの馬車事件」における銀行の不正行為

それでは、近年明らかになった不正貸付事件の中でも特に注目度の高かった「かぼちゃの馬車事件」について、事件の概要と銀行側の不正内容について見てみましょう。

 

1-1:事件の概要

 

不動産投資の不正行為のイメージ

 

かぼちゃの馬車事件」とは、不動産会社スマートデイズが展開する女性用シェアハウスプラン「かぼちゃの馬車」におけるサブリース事業が破綻したことで、オーナーに対するサブリース賃料が未払いとなった事件です

 

元々、この「かぼちゃの馬車」は構造的な欠陥を抱えたプランでした。サブリース事業とは借主が不動産会社(=スマートデイズ)に対して賃料を支払い、不動産会社がオーナーに対してサブリース賃料を支払う、というシステムです。
しかし、「かぼちゃの馬車」ではこのサブリース賃料が本来の賃料よりも高く設定されていました。
これではスマートデイズ側に利益が出るハズがありません。
スマートデイズはこのサブリース事業による赤字を、建設費用をキックバックしたり元々の物件の値段を高額に設定することで埋め合わせていましたが、そうした自転車操業的な経営も融資元であるスルガ銀行が融資を取りやめたことで立ち行かなくなりました。

 

その結果、スマートデイズの負債総額は2018年3月末時点で約60億円にものぼり、翌月
東京地裁に申請した民事再生法の適用も棄却された結果、破産手続きを行う事になったのです。
この事件をきっかけに、様々な地方銀行が不正融資に関わってきたことにスポットライトが当てられていくことになります

 

1-2:スルガ銀行による不正行為の黙認

 

不正行為を裁くイメージ

 

そして、この事件が世間から高い関心を集めたのは、融資元であるスルガ銀行スマートデイズと共謀してオーナーや個人投資家相手にローンを組んでいた可能性が高かったからです

 

具体的には、スルガ銀行はスマートデイズ社員が行った融資審査書類の書き換えに気付いていながら、自分達の利益の為にこうした不正を黙認していた可能性が浮上しています。
実際に、スマートデイズの社員による融資審査書類の改ざんをスルガ銀行側が黙認・誘導していたとする音声データも被害弁護団によって公開されています。

 

これはすなわち、オーナーの支払い能力や物件そのものの価値を十分に考慮しない状態で融資が行われていたことの証明であり、スルガ銀行はオーナーや投資家が不利益を被る可能性があったことを知りながらこれを黙認していた、という事になります。

 

個人投資家がシェアハウスの適正価格を知ることが困難な事を考えれば、投資家保護の観点からもこうした行為は許されるものではありません。
こうした不正事件による不動産景気の変動についてはこちらのページで解説しています。

 

なぜ銀行側による不正行為が起こるのか?

この「かぼちゃの馬車事件」をきっかけに、様々な地方銀行や信用金庫で不正融資が行われていたことが明らかになりつつあります。ではなぜ、銀行による不正貸付行為が横行してしまうのでしょうか?
それは、地方銀行同士の競争意識や銀行職員に対する過剰なノルマの存在があるからです。
銀行の個人顧客は法人顧客とは違い、より融資条件の良い銀行が見つかれば簡単に借り換えを行います。金利が高い銀行は他行からの借り換え攻勢に弱いので、借り入れの出来ない様な経済状況の顧客に対しても審査書類を改ざんして融資せざるを得なかった、といった背景があったというワケです。
こうした不正行為は金融機関が不動産向け融資の貸出審査を厳格化するきっかけとなりました。

 

まとめ

 

不動産投資のための計算をしている画像

 

スルガ銀行が2018年10月に業務停止命令を受けた一件があって以降、銀行による様々な不正融資が明らかになっています。こうした不正融資を銀行と不動産会社が共謀して行っている事実は、一見しただけでは中々見抜けないのが現状です。

 

こうした不正貸付事件に巻き込まれない為にも、不動産貸付の際に銀行側に以下の様な特徴が見られる場合には十分に警戒が必要です。

  • 銀行の特定の支店でローンを組まされる
  • ローンを組む段階で預金残高証明書に手が加えられている

そして何よりも、投資家の方々は自身の目で企業の経営状況・コンプライアンスを確認すると共に、他の銀行をはじめとした第三者機関に融資に関する相談を行うことが重要と言えるでしょう。
近年は上記のような不正貸付事件や貸出審査の厳格化により個人投資家が減少傾向にありますが、高い信用力を獲得することができれば、個人でも十分に活躍出できます。

 

『高金利に苦しむ不動産オーナーの方へ』
スルガ銀行をはじめ、一般的には年収条件を満たしていないサラリーマンの方に貸付を許容する代わりに4%〜5%という高金利融資を行っていました。
不動産投資において金利はキャッシュフローに大きな影響を与えます。1-2%金利が下がると総支払額を1000万円以上減らせるケースも珍しくありません。

 

銀行側に悪意があったとはいえ、既に購入してしまった不動産はなんとか運用し収益につなげる他ありません。
収益を抜本的に改善する方法の一つが「借り換え」による金利削減です。

 

特に現状で3%以上の金利を支払っている方は借り換えにより、大きな恩恵を受けられる可能性が高いと言えます。
アパートローン借り換え」を視野に入れて今後の計画を建ててみてはいかがでしょうか。

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